絵画に描かれた夢の幻想世界
夢を題材にした絵画は古今東西を問わずたくさん描かれていますが、夢が現実の世界と同じような重要な対象となったのは18世紀後半以降といわれています。
たとえば、詩人でもあったイギリスのウィリアム・ブレイク(1757~1827)は、自分の内面にある幻想世界を見つめ、夢に表われる視覚的世界をカンバスに描いて有名になった画家のひとりでした。
このブレイクの代表作に『ノミの王さま』があります。
あやしげなノミの怪物を描いた不思議な油絵ですが・・・
この絵のスケッチを描いていたとき、ブレイクはまるで目の前にその怪物がいるかのように前方を凝視して写生し、しばらくすると、もう見えなくなったと言って絵筆を置いたという話が残っています。
ブレイクはまた、詩の世界でも幻想的な神話を創作していますが、これを絵画化したのが『ニュートン』という作品でした。
ブレイクと同時代に活躍したハインリッヒ・フュースリも、油絵のテーマに夢という幻想世界を多く取りあげた画家として有名です。
まだ羽毛 布団もなかったような時代ですが、このように夢の世界にはすでに興味がもたれていたのです。
彼はドイツの民話や伝説、シェークスピアの作品などを好んでテーマとし、たとえばシェークスピアの『真夏の夜の夢』などを描いています。